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ネット広告のクリック率を最高に上げる、4つのテクニック

2024.02.27

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加藤 公一レオ

売れるネット広告社 代表取締役社長 CEOの加藤公一レオです。

 これまでのブログでは、D2C(ネット通販)のビジネスモデルについて語ってきたが、今回からはより具体的かつ実践的なノウハウを紹介していきたい。

今回のテーマは、「ネット広告のクリック率を上げる、広告原稿(ディスプレイ広告)の4つのテクニック」だ。

当たり前のことだか、どんなに良い商品をつくっても、どんなに良いランディングページをつくったとしても、ユーザーに知ってもらわなければ、買われることはない。そして、知ってもらうためにネット広告は有効だが、ユーザーにディスプレイ広告をクリックしてランディングページを見てもらえなければ、新規顧客を獲得できない。

ディスプレイ広告は、ネット広告の入口であるからこそ、広告原稿のクリック率を上げることは、その後のあらゆる成績に影響する。できるだけ低いCPAで新規顧客を獲得し、広告の費用対効果を最大化するためにも、クリック率を最高に上げる4つのテクニックを伝授したい。

「ネット広告なんか無視される」という現実

 クリック率を最高に上げる広告原稿(ディスプレイ広告)のテクニックをお伝えする前に、ズバリ聞きたい。あなたがネットサーフィンをしている時、ディスプレイ広告をクリックするだろうか?

 おそらく「しない」と思った人が大多数のはずだ。大前提として伝えておきたいのが、「ネット広告なんか無視される」という現実だ。

 インターネットとスマートフォンの普及により、ネット広告のリーチは年々拡大しているが、実はひと昔前に比べてクリック率は下がっている。2000年頃はディスプレイ広告(純広告)の平均クリック率は1%くらいあったが、近年は0.1%台まで落ちているのだ。

 0.1%というのは、広告を見た1000人中、1人しかクリックしないのだから、この数字がいかに低いかがわかるだろう。

 クリック率を上げるためのテクニックの話が、「ネット広告なんか無視される」から始まって恐縮だが、「ネット広告は他の媒体以上に無視される」という現実を理解しておかないと、クリック率を上げることはできない。

 まず、ネット広告のクリック率が低い理由に「ディスプレイ広告・ブラインドネス」という現象がある。

 ユーザーがディスプレイ広告を目にしたとき、自分とは無関係の情報だと無意識のうちに無視している状態で、広告として認識すらしていないという状態だ。端的に言えば、ユーザーはネット広告を自然と無視する習慣を身に付けているのである。

 
インターネットの特徴は、ユーザーが能動的に情報を求めている点にある。何かしら「知りたいこと」「求めている情報」があるからこそ、ネットで検索したり、ニュースサイトを見たりしている。ユーザーがピンポイントに自分の興味関心・趣味嗜好に合った情報を求めているからこそ、自分の軸に沿わない広告は無視されるのである。

 したがって、クリックされる広告原稿(ディスプレイ広告)を制作するためには、「ネット広告なんか無視される」という前提で戦略的にプラニングすることが重要になる。

目立たせようとすればするほど無視される

 しかし、ネット広告が無視されるからと言って、「無視されないように、とにかく派手にして目立たせよう」という考えは大間違いである!

 派手な動きを付けた目立つディスプレイ広告は、言ってみれば、「残念な、だませず枠」。ぶっちゃければ、だますどころか、視界にすら入っていない。不快指数でいうと、ゼロ(見えてない)からマイナス(ウザい)だ。
 この広告原稿(ディスプレイ広告)を見ていただきたい。「なんだ、よくある広告じゃない?」と思った方も多いのではないだろうか。つまり、それだけ “残念なだませず枠”が世の中に溢れているということである。

 何度も繰り返すが、ユーザーは情報を求めてネットを使っているため、自分に関係がないと判断した情報は、本能的に視界から排除する習慣が身に付いている。したがって、現在のインターネットの世界では、派手な動きがあり、オシャレっぽいイメージをアピールする意図でデザインしたディスプレイ広告ほど、無視されるという皮肉な傾向にある。

 それなのに、多くのクライアントがいまだにそれに気づかず(もしくは広告会社の営業があえて気づかせず)、一番重要なキャッチコピーをないがしろにしたまま、いかにデザインをカッコよく見せるか、いかに目立たせられるかにばかり注力し、イメージ型の派手な動きのあるディスプレイ広告を出して、ネットユーザーに無視され続けているのだ。

 では、この反対、ユーザーに無視されない“気持ちの良いだまし枠”にするためには、どうすればいいのだろうか。そもそも「だます」と言うと聞こえは悪いが、「ユーザーが望んでいないのに、無理やり広告を見せる」というネガティブなものではなく、「ユーザーに無視されずに、必要だと思って広告を見てもらう」という意味である。そのためのテクニックが次の4つだ。

1.特定のターゲットに絞ったキャッチコピーにする

 広告原稿(ディスプレイ広告)は、ズバリ「特定のターゲットを狙ったキャッチコピー」にするとクリック率が上がる。ネット広告においてクリック率に最も影響するのがキャッチコピーだ。

 通りすがりのネットユーザーを一瞬で広告に注目させ、クリックさせるには、相手の心にグサッと刺さるキャッチコピーが必要である。他の要素はまったく同じでも、キャッチコピーの優劣によって、クリック率が最大2~3倍も変わってくる。

 重要なので再度言う。ネット広告においてクリック率に最も影響するのがキャッチコピーだ!

 それにもかかわらず、広告主の多くはディスプレイ広告のデザインをいかにカッコ良く見せるか、いかに目立たせるかばかりに気をとられていて、最も重要なキャッチコピーがないがしろにされる傾向がある。

 では、クリック率の高いキャッチコピーとは、どのようなものだろうか。それは、ズバリ「情報っぽいキャッチコピー」である。

 ユーザーはネットを使って「面白い情報」や「悩みを解決する情報」、「欲求を満たす情報」を探している。だからこそ、情報っぽいキャッチコピーが刺さるのである。中でも、「〇〇の方へ」「〇〇なあなたへ」とターゲットを絞るキャッチコピーにすると、効果はてきめんだ。

 例えば、「美白美容液を無料で試したい30歳以上の女性の方へ」「毛穴が気になる30代のあなたに」といった具合だ。

 このようなキャッチコピーはおしゃれではないし、万人受けするものではない。だが、ターゲットが絞り込まれていればいるほど、キャッチコピーに当てはまる人がこれを見ると、「まるで自分のことを言われているような感覚」に陥り、その先にある答えが気になって、高確率でクリックしてくれる。
 特定のターゲットに絞ったキャッチコピーにすることは、クリック率を上げる以外にもうひとつ利点がある。それは、具体的なキャッチコピーでターゲットを募集しているため、クリックしてくれた人が商品に興味を持ってくれる可能性が高まることである。

 漠然としたイメージだけを伝えるキャッチコピーの場合、受け取り方は人によってさまざまなので、ディスプレイ広告をクリックしてランディングページに到達したユーザーが「思っていたのと違う」と離脱してしまうケースも多い。

 その反対に、商品特性や商品ターゲットに応じた具体的なキャッチコピーにすることで、ミスマッチが起こりにくくなり、結果としてコンバージョン率も上がるのだ。

 特定のターゲットに絞ったキャッチコピーにすることは、クリック率とコンバージョン率の両方を上げる一石二鳥のテクニックと言える。ネット広告のキャッチコピーをつくる際は、「テーマに興味のある人を募集する(呼びかける)」ことを意識しよう。

2.続きが気になるじらしたキャッチコピーにする

 ネットサーフィン中、「なぜ〇〇は成功したのか?」「貯金がデキる人、デキない人の違いとは?」といったタイトルが気になって、思わずリンクをクリックしてしまったことはないだろうか。

 広告原稿(ディスプレイ広告)で記事のタイトルに当たるのが、キャッチコピーである。ズバリ、「続きが気になるようじらしたキャッチコピー」にするとクリック率は上がる。

 あえてキャッチコピーを見ただけでは、答えがわからない“謎かけ”のようなコピーをつくり、情報を遮断することにより、見た人は続きが気になって、かなりの確率でクリックをしてくれる。
 繰り返しになるが、ネットユーザーは能動的に情報を求めているため、それが広告っぽくなく、情報っぽいコピーであれば、さらにクリック率は劇的に上がる。クイズ番組などで、よく「正解はCMの後で…」という“じらしパターン”があるが、それと同じだ。人の心は、チラリズムに動かされるのだ。

 ただし、続きが気になるよう、じらしたキャッチコピーを使う場合、ランディングページにそのキャッチコピーの受けとなる答えをしっかり用意しておくことが大事だ。

 例えば、「美白ケアをする人が犯す5つの間違いとは?」というキャッチコピーであれば、ランディングページできちんと「5つの間違い」について説明した後で、「そこで…」と悩みや課題の解決策として、自社商品を提案するような流れにしよう。

 ネット広告は、あくまでも「呼び水」であって、キャッチコピーに惹かれてクリックした人をランディングページに呼び込んだ後、自社商品のアピールにつなげられなければ、意味がないのだ。

3.モデルやタレントではなく「商品」の写真にする

広告原稿(ディスプレイ広告)において、キャッチコピーの次にクリック率に影響するのが写真である。写真の優劣により、クリック率に最大1.5~2倍の差が出る。

 ズバリ答えを言ってしまうと、広告原稿(ディスプレイ広告)の写真はモデルやタレントよりも、シンプルに「商品」の写真にするとクリック率が上がる!

『売れるネット広告社』では、これまであらゆるクライアントで写真のA/Bテストを行ったが、クリック率でもコンバージョン率でも、モデルやタレントの写真が商品の写真に勝つことはなかった。

 確かに有名人を使えば目を引くかもしれないが、広告の目的はあくまでも商品を売ること。有名人の写真を使った広告がクリックを集めたとしても、それはユーザーがモデルやタレントに興味を持っただけで、商品の申込みにはつながらないケースが多いのだ。

 もっと言えば、有名人の写真を使うことで、クリックされるチャンスが減ってしまうことすらある。特に女性は、モデルやタレントの好き嫌いが激しい傾向があり、嫌いな有名人が広告に出ていたら絶対にクリックしない。

 多くのD2C(ネット通販)会社は有名モデルやタレントに数百万円、時には数千万円という大金を積んで広告に起用するが、残念なことにネット広告においてはそれが無駄金になってしまうことが多いのである。

 ちなみに、ここ10年はSNSが発達したこともあり、プロのカメラマンが撮った写真より、素人がスマートフォンから撮ったような写真を使ったほうが、いかにも広告っぽく見えず、情報っぽく見えることからクリック率が上がる傾向にある。

4.純広の場合は媒体の掲載面になじむデザインにする

 広告原稿(ディスプレイ広告)のデザインにおいて最も重要なこと、それは純広の場合は「媒体の掲載面になじむデザイン」にすることだ。つまりは、「動きのないコンテンツ風のデザイン」である。

 多くの広告主は、「とくかく目立たせればいい」と考え、派手な動きを付けたりするが、それでは逆効果。お客さまは情報を得るためにネットを使っているため、いかにも広告っぽい、派手なディスプレイ広告ほど無視されるという傾向にある。

 したがって、ディスプレイ広告のクリック率を大幅に上げる方法は、ズバリ“動きをなくし、キャッチコピーをメインにする”こと、そして“なるべく出稿している媒体のコンテンツになじむデザインにすること”である。
つまりは情報っぽい、もっというと“コンテンツ風”の広告原稿(ディスプレイ広告)を制作することがクリック率を最大化するためのコツである。動きがなく、キャッチコピーが立っていて、媒体のページと馴染んでいれば、ユーザーは本能的に無視をしなくなり、広告を見てくれるようになる。

 また、動かないキャッチコピー、つまり動かない文字は「広告だ」と思っても、無視する前の時点で内容が頭に入ってきてしまう。ユーザーに無視されたくなければ、派手にして目立たせようとするのではなく、あたかも媒体の1コンテンツであるかのように自然に見せることが大事なのだ。

 一方、媒体社によっては媒体コンテンツと類似したものは考査で不可とされる場合がある。その場合でも最低限「動きを一切つけない」「キャッチコピーをしっかりと表記する」ことだけは実行するべきだ。

 ネットユーザーを理解し、ネット広告が無視されることを前提に戦略的な広告原稿(ディスプレイ広告をプラニングする)をつくると、クリック率は劇的に上がる。

 ネット広告のクリック率が下がってきているとはいえ、ユーザー心理をよく理解すれば0.1%のクリック率を2倍の0.2%にすることも、4倍の0.4%にすることも、それほど難しくはない。4つのテクニックを実践して、過去最高のクリック率をたたき出してほしい。

 次回は、ネット広告のコンバージョン率を最大化させる申込フローについてお伝えする。次回もお楽しみに。