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通販の本質は「教育業」、成功のカギは「LTV最大化」にある

2024.02.14

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加藤 公一レオ

「“売れる”D2C(ネット通販)」はLTVが高い

売れるネット広告社 代表取締役社長 CEOの加藤公一レオです。

D2C(ネット通販)で成功するためには、「LTVの最大化が何より重要」と言っても過言ではない。

 CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)、CPA(ひとりのレスポンス獲得にかかったコスト)といった新規獲得の数字のみに一喜一憂する人もいるが、それではダメだ。
 
 なぜならD2C(ネット通販)とは初回申込をきっかけとして、その後の引上、クロスセルで中長期的に利益を出すビジネスモデルだからだ。

 このグラフの通り、顧客単位で見ると初回申込時は赤字。売上よりも新規顧客獲得のための広告投資が上回ってしまっている状態である。

 商品や会社によって違うが、D2C(ネット通販)は、ひとりのお客さまが4~5回継続して購入してくれたタイミングで利益が出始め、同じお客さまが何度も買ってくれるほど、右肩上がりに利益が伸びていく構造になっている。

 このような特性があるからこそ、新規獲得の数字だけを見るのではなく、企業の決算と同じように広告の費用対効果(ROAS)も年単位で見ていく必要がある。D2C(ネット通販)の成功のカギは「いかにひとりのお客さまに継続してたくさん買ってもらえるか」なのだ。

 重要なので、再度言う。D2C(ネット通販)の成功のカギは、「いかにひとりのお客さまに継続してたくさん買ってもらえるか」、つまりは「LTVの最大化」なのである。

 そこで注目すべき指標が、「ひとりのお客さまが1年間で購入した金額」を表す「LTV(年間購入単価)」である。実際、ここ最近、成功している「“売れる”D2C(ネット通販)」はどんどんLTV至上主義になっている。

 当社のクライアントは、大量に広告を投下していることもあってCPAは平均的だが、LTVが世の中のD2C(ネット通販)会社の2~3倍はある。

 まずは、無料モニターや500円以下の低価格モニターを募集し、次に本商品の定期コース(サブスク)に申込んでもらい、その後関連商品も購入してもらうという“儲かる仕組み”を実行し、LTVの最大化に注力しているからだ。勝ち組の「“売れる”D2C(ネット通販)」は、LTVの重要性を誰よりもわかっているのである。

LTVの最大化には定期コース(サブスク)とクロスセル

 “儲かる仕組み”については以前のブログでお話したが、LTVという観点では、 “3高ルール”(高いレスポンス、高い引上、高いクロスセル)のうち、「高い引上」と「高いクロスセル」が重要になる。

D2C(ネット通販)の世界では、初回申込はあくまでもきっかけでしかなく、「いかにお客さま、ひとりあたりの年間の購入回数と購入単価を上げていくか」という視点が不可欠だからだ。

 「無料モニターや低価格モニターを入口として集めた“見込客”に対し、徹底的に定期コース(サブスク)をおすすめし“固定客”にする。そして、その“固定客”に関連商品も購入してもらい、“優良客”にする」というフローを愚直に実行していこう。

 ここで何より重要なのが、とにかく「定期コース(サブスク)」に誘導することである。ネット広告によるひとりの新規顧客獲得にかかるコストは、商品単価の2倍以上にのぼる。それでも、サブスクモデルだと、ひとりあたり平均6~7回の購入が期待できるので十分利益が出るのだ。

「マーケティング=CRM」と捉えよ

 では、一度申込んでくれたお客さまに継続して定期コース(サブスク)を利用してもらい、LTVを最大化するにはどうすればいいのだろうか。

 LTVを最大化するためには、マーケティングをCRM(顧客関係管理)だと捉える必要がある。それはどういうことかというと、「お客さまと常にコミュニケーションをとっていく必要がある」ということだ。

 世の中には、定期コース(サブスク)のお客さまを放置しているD2C(ネット通販)会社が意外に多い。定期コース(サブスク)に申込んでもらうまでは必死にメールやDMで購入を煽るが、一度定期コース(サブスク)に申込んでくれたお客さまには、ろくに情報提供をせずに、ただ淡々と商品を送り続けるのだ。

 しかし、LTVを最大化するためには、商品だけではなく、絶えず情報を提供し続けることが大切である。会社やブランドの理念、商品開発ストーリー、長期間継続しているお客さまの喜びの声など、定期コース(サブスク)に申込んでくれたお客さまに、「あなたは正しい選択をしましたよ」と伝え、ブランドや会社のファンになってもらおう。少しいやらしいテクニックだが、やめてしまったお客さまの後悔や苦労の声を送ることも効果がある。

 LTVが高い「“売れる”D2C(ネット通販)」はこのことをよくわかっていて、定期コース(サブスク)を申込んでくれたお客さまを決して放置しないのはもちろんのこと、過去に購入があったが定期コース(サブスク)に引上がらなかったお客さまや、過去に定期コース(サブスク)を申込んでいたが、途中でやめてしまったお客さまにも、諦めることなく定期的に情報提供をし続けている。

 例えば、「商品Aから浮気して他社商品を利用していた私が、やっぱり商品Aに戻った理由」といったお客さまの声を送って、商品Aの良さを改めて伝えたり、季節のキャンペーン情報や新商品情報を送ったりしているのだ。

 仮に商品Aが響かなかったとしても、一度離れてしまったお客さまに改めて違う角度からコミュニケーションをとることで、同社の「商品B」に興味を持ってもらえる可能性もある。

 LTVの高い「“売れる”D2C(ネット通販)」は、定期コース(サブスク)継続中のお客さまはもちろん、一度やめてしまったお客さまも含め、お客さまの手を離さないのだ。

 ちなみに私自身は結婚LTV20年だが、、それも離脱(離婚)されないように日々コミュニケーションをとり続けてきた成果だと思っている(笑)

D2C(ネット通販)の本質は「お客さまとの関係を築くこと」

 個人的にはD2C(ネット通販)の本質は、「初回申込をきっかけとして、そこからお客さまとの関係性を築いていくこと」だと考えている。もっと言えば、D2C(ネット通販)とは「教育業」なのだ。

 極端な話、プロテインや青汁、クレンジングといった商品自体は、実店舗でいくらでも買うことができる。だからこそ、「“売れる”D2C(ネット通販)」は、お客さまと常にコミュニケーションをとり続け、情報という価値を提供しているのだ。

 例えば、ダイエット関連の商品を扱っている場合は、脂肪の恐怖や正しい運動の仕方、適正な体脂肪率を維持することが健康な人生を送る上でいかに大切か、といったことを伝えている。化粧品を扱っている場合は、正しいスキンケア法や、美肌を保つ食事、季節に合わせたメイクアップ法などの情報を提供している。

 そうやって常に情報を発信していると、お客さまは商品だけでなく、その会社が発信する情報に価値を感じるようになり、普段の生活における意識が変わっていく。ダイエットをしたい人は「もっとヘルシーな食生活をしよう」とか「たまには運動しよう」といった気持ちになり、化粧品を購入している人は「もっときれいになりたい」と思うようになる。そういった意識の変化が、最終的にはその人の人生を変えていくのだ。

 商品と一緒に情報を届けることで、お客さまに「自信」がつくという効果もある。お客さまは、健康に関する情報を得ることで「健康になった気がする」、美容に関する情報を得ることで「きれいになった気がする」と感じるのだ。

 お客さまの意識や生活習慣を変えていく、お客様に自信を与えるという点が、D2C(ネット通販)が「教育業」だと言えるところであり、それこそが本質的なCRMなのである。

 定期コース(サブスク)の継続回数が5~6回で終わってしまうD2C(ネット通販)会社もあれば、ファンづくりが上手で、定期コース(サブスク)の継続回数が10回以上の通販(D2C)会社もある。その違いは、ただ自社商品を売り込むだけでなく、「お客様にとって価値のある情報を発信できているかどうか」なのだ。

 LTVが思うように上がらないと悩んでいるD2C(ネット通販)は、一度「売らないCRM」を実践してみてほしい。売るためのフォローメールやDMなどはもちろん大切だが、それとは別に「お客さまとコミュニケーションをとること」「お客さまに価値ある情報を届けること」に特化した情報発信を増やしていくのだ。

 最初はまどろっこしく感じるかもしれないが、「売らないCRM」を意識し始めると、次第にファンが増え、長期的にはLTV向上につながっていくはずだ。

 初回申込をきっかけとして、その後の引上、クロスセルで中長期的に利益を出すビジネスモデルである以上、D2C(ネット通販)で儲けるためには、LTVの最大化が最も有効で本質的な方法である。

 次回のブログでは、LTVの最大化につながる「ツーステップマーケティング」について詳しくお話したい。次回もお楽しみに。